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四国唯一のフランジメーカー。新開発したコンベアローラで海外市場を目指す。

2013年認定【認定製品・技術】①鋼製フランジ、②ベルトコンベアローラ(NIIHAMA Roller)

 

東和工業は国内でも数少ないフランジメーカーで、1969年に解体業として創業した後、78年にフランジの製造を始めた。フランジとは、配管同士を接続する際に利用される配管継ぎ手の一種で、同社では主に鋼製フランジを製造している。国内最大級の大型プレス機をはじめ、フランジ製造に特化した設備による一貫生産体制を確立している。
同社によると国内フランジ市場の80%は、安価な輸入製品で「同じように作ると20%くらい価格差がある」(神野恵介社長)という。同社では、作業効率を高めて大量生産することで、安価な輸入製品に対抗できる製品単価を実現。その一つが、鉄板からフランジの形を打ち抜く1000トンプレス機だ。通常はガスやレーザーを使って切断するが、同プレス機では最大で1分あたり26枚を打ち抜くことが可能。大幅に作業効率が上がるうえに、納期短縮にもつながるとしている。また、旋盤やボール盤などを一人が2台扱うことで人件費の削減を図るなど、効率化に向けた取り組みの積み重ねが競争力の源となっている。


 

こうしたコスト削減の取り組みから生まれたのが、フランジと単管が一体となった「NOSフランジ」だ。従来型のフランジは配管と溶接することで、歪みや漏れといったトラブルの発生が懸念されていたが、同製品は一体鍛造型のため溶接が不要。こうしたトラブル要因を無くし、部品コストを抑えることもできるとしている。
また、フランジの製造技術を応用して新たな取り組みも始めている。地元の海運会社から依頼を受けて、船から木材チップを積おろす際に利用されるベルトコンベアのローラ部分を、2010年に萩尾高圧容器(新居浜市)と共同で開発した。従来品は、海辺で使用するため塩害による劣化や、細かい木くずなどが目詰まりすることが故障の原因となっていた。同社らが開発したコンベアローラは、ローラが回転するために重要な軸受部を、フランジ製造技術を応用してプレス成形した金属カバーで密閉した構造。金属カバーと軸受部を一体構造にすることで、部品点数を減らし従来比30%のコストダウンに成功した。直接外気に触れないため塩害や粉じんによる影響が少なく、従来品と比べて約2倍の耐久性があるという。

神野社長は「コンベアローラは、船以外の使用環境が厳しいところにもニーズはある」と、陸上の石炭搬送などにも需要を見込む。今後は国内はもとより、インドネシアやフィリピンなど東南アジアでも積極的に販売展開していく方針。「いずれは『NIIHAMAローラ』として欧州や米国に売り込みたい」と夢は広がる。

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