塩崎製作所の前身塩崎機型製作所は、住友重機械工業の協力工場として1937年に創業した。当時は鋳物の木型づくりを行っていたが、72年に鉄工部門へ進出。2002年に法人化に伴い現社名とした。
同社が得意とするのが大型製缶品の製作。中でも、製鉄プラント内の設備や部品の製作に長年従事。高温の溶けた鉄を扱う製鉄プラントでは、厚みのある鉄を使った設備が必要で、こうした製鉄プラントの仕事を通じて蓄積した厚物金属の高い溶接技術とノウハウが同社の財産となっている。


また大型製作物に対応できるように20トンクレーンや大型レーザー加工機、プラノミラーなどを完備。製鉄プラント関連以外にも、各種産業機械や最先端のガン治療システムなどの大型機械部品も得意としている。
同社が扱う材料は主に鉄とステンレス。主力の製鉄プラント設備では、30ミリメートル程度の厚さの鉄板を扱うことが多いが、過去には板厚300ミリメートル以上の鉄板を溶接した実績を持つ。
鉄板同士を溶接する際には、溶接箇所に熱が集中すると、部材に歪みが生じてしまう原因となる。歪みを抑えるためには、部材全体を一定温度まで加熱した後に溶接をする必要があるが、部材の種類や大きさ、厚みなどによりその加熱する時間や部分は異なる。また同社が手がける製作物は大型のため溶接箇所も多く、溶接する順番によっても仕上がりが異なるという。
こうした温度管理や溶接手順は「精度の高い製品を作るには欠かせない」(塩崎卓社長)と、同社ではデータを蓄積してマニュアル化することで、常により高い溶接技術を追求している。また「厚物の溶接は目で見ただけでは分からない」と、エックス線を使った非破壊検査による品質管理も行っている。
同社が扱う材料は主に鉄とステンレス。主力の製鉄プラント設備では、30ミリメートル程度の厚さの鉄板を扱うことが多いが、過去には板厚300ミリメートル以上の鉄板を溶接した実績を持つ。

こうした温度管理や溶接手順は「精度の高い製品を作るには欠かせない」(塩崎卓社長)と、同社ではデータを蓄積してマニュアル化することで、常により高い溶接技術を追求している。また「厚物の溶接は目で見ただけでは分からない」と、エックス線を使った非破壊検査による品質管理も行っている。
同社では受注拡大を目指し、新市場の開拓を積極的に推進している。13年には地元ホイストメーカーと連携し、クレーン部品の製作を始めた。また同社は、長い歴史の中で設計会社との協力関係を築いてきた。塩崎社長は「今後、設計会社と連携して自社製品の開発にもチャレンジしたい」としている。
また同社では、大型産業機械部品の機械加工も手がけるが、現在は機械部品の製作を単体で依頼されることが多いという。塩崎社長は「今後は数種類の部品を組み合わせたユニットとして受注できる体制を整えたい」と組み立て部門の強化を推進する方針。「組み立てまでできる体制になれば、新たな顧客を開拓できる」と重量物のクレーンを備えた組立工場を増設した。
