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食品加工の職人技を機械で再現。

2013年認定【認定製品・技術】①ふぐ皮すき機、②遠赤外線、低温・乾燥機

 

サンテクノ久我は、久我高昭社長が水産関連機器を手がけるホクト(新居浜市)から独立して2004年に設立した。主な業務は、水産加工機械の企画・開発・販売。『機械で職人の技を再現する』という開発コンセプトの元、独自の視点で大手企業が参入しないニッチ市場向けの製品を産み出している。

主力製品の「ふぐ皮すき名人」は、ふぐの皮を均一に加工する機械。ふぐの皮を食べるためには、トゲのある表層部分を薄くはがす必要があるが、それには熟練の技術が必要。またふぐの皮は固く抵抗があるため、人力では大量に処理することが困難だった。同製品は、手作業に負けない仕上がりで、1時間で最大210枚を処理することが可能。全国の市場や水産加工会社などで活躍している。
05年に発売した「はも骨切り名人」は、はもの皮を0.2㎜残して骨切りをする機械。一般的に加工機械を使って魚を加工する場合、魚を冷凍した方が生の柔らかい状態に比べて加工しやすいが、一度冷凍すると品質は低下してしまう。同機械は生の状態で加工できることが特徴で、そこには「自然の味や品質を保ちつつ加工することが大前提」という久我社長の思いが詰まっている。

独立時に「水産関連機器以外の製品も開発したかった」という久我社長は、10年に最適の遠赤外線と低温処理で食材を乾燥・濃縮させる「遠赤・低温乾燥名人」を発売した。同製品は遠赤外線効果によって表面だけ乾燥するのではなく、食材内部から水分が抜けるため、素材のうま味が増加。低温処理することで、うま味成分が流れ出す原因にもなる細胞破壊を抑え、ビタミンなどの栄養を保った状態で乾燥できるという。
同製品は魚だけではなく、肉や果物、野菜など幅広い食材に適応できる。例えば果物や野菜は、色や味はそのまま保持して濃縮し、例えば糖度が生の状態の11から70程度まで簡単に濃縮、糖度UPさせることが可能で、1年以上の長期保存もできる。「自然のものを保存性のあるおいしい商品に加工していく」ことで、これまで廃棄されていた規格外品の活用もできるとしている。
同社は「ふぐ皮すき名人」の技術を応用して、みかんの皮の表層だけを除去する装置を開発。表層部分には苦み成分や果皮油があり、みかんジュースの製造過程でみかんを搾汁する際に混ざり、味や品質低下の原因となっている。今後同社では、乾燥機と組み合わせて高品質のみかんジュースを作る研究を進める計画。将来的には機能性食品に応用できる技術を確立し、「最終的には食品加工品の製造・販売も行いたい」としている。
 

▲極上味みかん 100% 
 糖度 50(生の味)
 

▲あじ 15%乾燥