サイバーの前身伊予電子は、無線機器やオーディオ製品の販売店として1968年に設立。70年代にビデオデッキの製造ラインの設計やメンテナンスを始めたことをきっかけに、制御ソフトの開発や電子回路の設計・製作を始めた。977年に現社名に変更し、これまでに数多くの産業設備機器の自動化や省力化に携わってきた。



同社が手がけるは、陽子線がん治療システムの加速器を制御するシステム。医療関連機器は人体に直接影響を及ぼすことから「データ収集と解析を、正確にかつ高速で行う必要がある」(河端和行社長)という。また微量の電流を扱うため、高い設計技術が要求されるという。こうした要求を実現するためには、無駄のない電子回路の設計が不可欠。河端社長は「そこに我が社のノウハウが詰まっており、他社にはまねできない」と胸を張る。
2014年9月には、初の自社製品となる自動硬化時間測定装置「まどか」を発売した。同製品は、プリント基板材料や半導体封止材に用いられる樹脂が固まる時間を計測する装置で、1987年に住友化学から委託を受けて開発した装置を改良して市販化した。粉末の樹脂材料を熱しながら混ぜていき、硬化するまでの時間を計測する。樹脂材料の研究開発や品質管理のために、材料メーカーや半導体メーカーなどで利用されている。

同社では、電子部品製造の盛んな台湾や韓国をターゲットとし、自動硬化時間測定装置「まどか」の販売を強化していく計画。材料メーカーも集積しており、河端社長は「売り込み先のリストはたくさんある」と、需要を見込んでいる。今後は「専属の部署を立ち上げることも視野に入れている」と、さらに自社製品を強化していく方針だ。
