おべ工業は、1914年に兵庫県尼崎市でクレーンの据え付けを行う尾部組として創業。31年に新居浜市へ移転し、53年から港湾荷役用クレーンの製作をはじめ、2002年に現社名に改名した。港湾荷役用クレーンをはじめ、工場用の天井クレーンなど各種大型クレーンを手がけるクレーンメーカーだ。
同社では大型クレーンの設計から製造、据え付けまでを手がけるが、中でも港湾荷役用の移動式タイヤクレーンは、同社が初めて製品化した。従来の港湾荷役用クレーンは、あらかじめ設置されているレール上を移動することしかできなかったが、タイヤクレーンは任意の場所に自由に移動できることが特徴。荷役作業が好きな場所でできるため、作業効率が画期的に向上することから、国内はもとより海外でも数多く活躍している。


同社では、顧客の要求に応じた製品づくりを行うため、「同じモノを造ることはほとんどない」(尾部功太榔社長)という。顧客のニーズは千差万別で「そうした多様なニーズに対応できる会社作りが一番重要」だと、設計から製作、据え付けまでを自社で行う一貫生産体制を構築している。一貫生産体制にこだわるのは、顧客ニーズに素早く対応できる小回りの良さが発揮できると同時に、「他人まかせの製品を納めるわけにはいかない」という、妥協を許さない品質追求への思いがあるからだ。
もう一つの事業の柱が、観覧車やジェットコースターなどの大型遊戯機械の製作で、国内外を問わず数多くの有名遊戯施設に納品している。遊戯機械で最も求められるのが安全性。75年頃から遊戯機械の製作を始めた同社では、長年の経験から独自の強度計算式を開発。また部材に余計な力を掛けないために、部材を無理に溶接しないなど安全性を最優先した三次元加工技術も確立している。これまで数多くの遊戯機械を世に送り出している実績は、こうした独自の設計技術と製作手法によるもので、尾部社長は「これまでにクラックなどは入ったことがない」と、確かな安全性に胸を張る。
もう一つの事業の柱が、観覧車やジェットコースターなどの大型遊戯機械の製作で、国内外を問わず数多くの有名遊戯施設に納品している。遊戯機械で最も求められるのが安全性。75年頃から遊戯機械の製作を始めた同社では、長年の経験から独自の強度計算式を開発。また部材に余計な力を掛けないために、部材を無理に溶接しないなど安全性を最優先した三次元加工技術も確立している。これまで数多くの遊戯機械を世に送り出している実績は、こうした独自の設計技術と製作手法によるもので、尾部社長は「これまでにクラックなどは入ったことがない」と、確かな安全性に胸を張る。


同社では、さらに大型機種の制作依頼があるが「現状の設備では対応できずに断っている案件もある」という。このため同社では、2017年に多喜浜工場敷地内に新工場を増設し、より大型機種に対応できる体制が整い、幅広い顧客ニーズに応えることを可能とした。遊戯機械は国内需要が減少傾向のため、海外の仕事にも積極的にチャレンジしていく方針だ。