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最先端のレーザー溶接技術で、薄板の溶接を極める。

2015年認定【認定製品・技術】ファイバーレーザー溶接機による薄板の低歪み溶接技術

 

西岡鉄工所の前身西岡組は、1933年に住友機械製作(現:住友重機械工業)の工場内で製缶塗装業務の請負を始めた。37年には自社工場を建設し、住友重機械工業の協力工場となり、61年に現社名に改称。さまざまな製缶品の製作に携わる中で、薄板の加工技術を高めていき、現在では制御盤や各種産業機械のカバーなどを製作を行っている。
同社は、83年に制御盤の設計や配線などを行う西機電装を設立。制御盤の完成品までの作業工程を同じ敷地内で行うことができる一貫生産体制はグループの強みとなっているが、西岡圭社長は「一つ一つを見てみると、他社と差別化できるものがない」と分析。今後の事業拡大には得意とする薄板の加工技術のレベルアップが必要だと考え、レーザー溶接技術に着目した。

レーザー溶接は、パルス波を一点に集中させて点を打つように溶接していくため、一般的な溶接に比べて部材が加熱されにくいため歪みも少ない。溶接面の仕上がりも格段にきれいなため、歪みの修正や溶接面を研磨するといった後処理が軽減されるため、大幅な作業時間短縮が図れるという。
同社では、2012年にYAGレーザー溶接機を導入し、新たな顧客開拓を目指した。同機の導入により、これまでより薄い厚さ0.8ミリメートルのステンレス溶接まで対応が可能になり、一定の受注拡大の導入効果はあったが、ハンドタイプのため大型品を安定して溶接することが難しく、大量ロット時の再現性にも課題があった。

この課題を解決するため、15年に導入したのがファイバーレーザー溶接機だ。同機はロボット溶接システムで、量産品や大型品も品質を安定して溶接可能。またYAGレーザー溶接機に比べて高出力のため、アルミ溶接にも対応できるようになった。

同社では、顧客に対してレーザー溶接機を活用した作業改善提案を積極的に行っている。製缶品など箱ものは、溶接箇所を減らせば仕上がりも良くなるため、曲げ加工で製作することが多いが、溶接の仕上がりがきれいなレーザー溶接機を利用すれば、曲げ加工に比べて材料のロスが減少し、内側の部品を取り付けた後に箱形に成型することで作業効率も向上するため、コストダウンや納期短縮が実現できるとしている。

同社では『薄板低歪み加工といえば西岡』と言われるように、今後もレーザー溶接の技術を高めていきたいとしてる。また「前工程の精度が溶接品質に関わってくる」として、ファイバーレーザー切断機の導入も検討しており、さらに精度の高いものづくりを追求していく。