近文は1960年、プラント配管工事業の近藤文一工業所として創業。当初は出張工事が主体で、全国各地を飛び回っていたが、67年の現本社工場完成をきっかけに、地元密着の事業展開を始めた。91年に現社名に改称し、これまでにさまざまなプラント建設に携わった実績を誇る。



中でも同社が得意とするのが、石油・化学プラントなど現場で火気を使用できないプラントの工事だ。現場は火気厳禁で溶接作業ができないため、現場で配管を組み立てるようにして工事を行う。そのためには「事前の準備が大切」(近藤禎文社長)だという。しかし工場で仮組みした通りに現場でも組み立てができればベストだが、図面だけではわからないこともあるため、時には現場で手直しする必要があるという。同社では重要なポイントは実測を行うなど、長年培ったノウハウに沿って事前準備を行うことで、こうした手直し作業の軽減を図っている。

同社では今後国内の石油・化学プラントの新設工事の需要は減少傾向にあることから、新たな市場の開拓も模索している。その一つが、2014年から始めた他業種の配管設備の製作で「技術的にはもちろん、これまでの経験を生かした工程管理能力も十分通用する」と手応えを感じている。今後は、条件の厳しい石油・化学プラント工事を行ってきた経験を生かして「新しい分野の仕事を受注していきたい」と、新たな市場開拓にも挑んでいく方針だ。
