萩尾機械工業の前身萩尾鉄工所は、1934年に新居浜唯一のネジ専門工場として創業。萩尾鉄工所は建設機械部品製造の専門工場として、萩尾高圧容器はプロパン容器製造の専門工場として独立、82年には機械工場の拡充と設計から組み立てまでの一貫生産体制を目指して萩尾機械工業として分離独立した。
94年に気密タンクの製造を開始し、98年には機械工場と製缶工場を統一した一貫工場が完成。中・大型の製缶から機械加工までを一貫して行うことができる生産体制が同社の強みとなっている。中でも電力を家庭に分配する受配電システムにおいて、一時的に電力を遮断するブレーカーを納めた気密タンクの製造は全国でもトップクラスを誇る。



同社のモノづくりの基本理念は「納期・品質・コストダウンを追求し、お客さまの要求に応えていく」(萩尾孝一社長)ことで、それを目指して日常的に作業改善活動を推進している。同社が製造する気密タンクの特徴に『加工レス面』というものがある。職人が叩いて溶接時の歪みを取り、0.3㎜以下の平面精度を出すもので、機械加工工程を減らすことで大幅なコストダウンにつながるという。また、タンクの気密性を保持するための高い溶接技術も同社のセールスポイントだ。材料を平滑化に寄与する2mを超えるドクターブレードホルダーは、機械にセットした際に水平になるように自重によるたわみを考慮した「逆歪取り」の職人技が使われている。
こうした板金や溶接には高度な技術やノウハウを要するため、終業後に技能伝承に向けた講習会を開いたり、外部の講習会などを積極的に活用。同社は手作りにこだわりながら、海外ではできないような付加価値の高い仕事を追求するが、それを実現するためには「人材が全て」と、従業員のスキルアップには余念がない。この他にも積極的な設備導入や外注ネットワークの強化を図り、顧客のニーズに対応できる社内体制づくりを構築している。萩尾社長は「納期・品質・コストにこだわる姿勢がお客さまからの信頼につながる」としている。
こうして蓄積された確かな技術力は、ガン治療などで利用される陽子線治療システムの加速器用部品などの最先端医療にも活用されている。また2014年には船舶用のバラスト水処理装置部品の機械加工も始めた。「今後は医療や鉄道、インフラなどの分野にチャレンジしたい」と、さらなる受注分野の拡大を目指す。
今後同社では、海外の協力会社との連携体制を構築していく方針。付加価値の高いコアな作業を日本で行う一方、それ以外の作業をベトナムや中国の協力会社で行うことでコスト競争力を高める狙いだ。同社では海外研修生の受け入れを積極的に行っており、萩尾社長は「将来の良いパートナーとして成長してほしい」と期待を寄せている。

こうして蓄積された確かな技術力は、ガン治療などで利用される陽子線治療システムの加速器用部品などの最先端医療にも活用されている。また2014年には船舶用のバラスト水処理装置部品の機械加工も始めた。「今後は医療や鉄道、インフラなどの分野にチャレンジしたい」と、さらなる受注分野の拡大を目指す。
今後同社では、海外の協力会社との連携体制を構築していく方針。付加価値の高いコアな作業を日本で行う一方、それ以外の作業をベトナムや中国の協力会社で行うことでコスト競争力を高める狙いだ。同社では海外研修生の受け入れを積極的に行っており、萩尾社長は「将来の良いパートナーとして成長してほしい」と期待を寄せている。
